HeavyNovel |二次創作小説・Web小説サイト

二次創作小説やWeb小説などを取り扱っています。

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ヒルビリーくんの一日

ヒルビリーとレイスの三角関係二十二日目

レイスはその日、仕事もせず部屋に引きこもっていた。床には野菜が転がり散乱していた。もはや食べ物の娯楽などどうでもよかった。食欲もわかずレイスはソファーに座りこみひたすら涙を拭っていた。 胸の奥から悲しみが無限にわいてくる。それは涙となって流…

ヒルビリーとレイスの三角関係二十一日目

女はその日、農場を離れとある廃車工場に居た。両手にたくさんの野菜を抱えとあるログハウスの扉を叩く。周囲には車の部品やスクラップが散乱している。そんな中をテクテクと一人の男が歩いてきた。 「あれ?どうしたの?僕の家に何か用?」 漆黒の殺人鬼レ…

ヒルビリーとレイスの三角関係二十日目

女とヒルビリーは向かい合ってテーブルに座っていた。沈黙が流れ無為に時間だけが過ぎた。どうしてこうなったのか分からなかった。聞きたいことは山ほどある。だが口を開く勇気がなかった。 「オレは……」 そんな中ヒルビリーが口を開いた。恐る恐る探るよう…

ヒルビリーとレイスの三角関係十九日目

ヒルビリーは地下室の監禁部屋に閉じこもっていた。 「ヒルビリー出てきて!」 女が外から叫ぶ。ヒルビリーは答えない。 「続きをしようよ!」 「イヤだ」 「どうして!?愛してるって言ってくれたじゃない!?」 返答はない。 「私のこと愛してないの……?」…

ヒルビリーとレイスの三角関係 十八日目 深夜

突如、扉が暴力的に開け放たれた。ドスドスという乱暴な足音が響き女の被っていた毛布は引き剥がされる。 女はひっ、と悲鳴をあげると腕を掴まれベッドに組み伏せられた。目の前には巨大な男が自分を睨みつけている。 「ヒルビリー!?」 「アイツと付き合っ…

ヒルビリーとレイスの三角関係十八日目 夜

アイツ……ドウシテ? 人を信じないその醜い男は、ポツリと呟いた。人間の背をチェーンソーで切りつけあらん限りの憎悪をぶつけるがそうしても彼の苦痛は消えなかった。 ドウシテ?ドウシテ?オレにあんな事を!! 男の脳裏に虐待の忌まわしい記憶が浮かぶ。本…

ヒルビリーとレイスの三角関係 十七日目 夜

今日もチェーンソーの機械音が鳴り止まない。女は耳を塞ぎ布団をかぶってガタガタと震えた。外では悲鳴が何度も上がっている。 外では間違いなく人が殺されている。ヒルビリーが殺している。どんなに優しくても殺人者には変わらない。 女は戻って戻ってとひ…

ヒルビリーとレイスの三角関係十六日目 夜

女は頭から布団を被りひたすら目を瞑っていた。 外からは男の唸り声がかすかに聞こえ、時折若い人間と思われる悲鳴が上がった。チェーンソーの機械音が劈くように農場に響いている。 悪夢の夜だった。ヒルビリーが人を殺している。信じたくない事実。だが実…

ヒルビリーとレイスの三角関係十六日目

女の部屋の扉が叩かれた。女は即座に戸を開ける。そこには焦った様子のヒルビリーがいた。 「どうしたの?」 「ごめん、今夜から絶対オレに近寄らないで」 「え……なんで」 戸惑った様子でヒルビリーを見返す。 「いいから絶対に近づかないで。部屋には鍵をか…

ヒルビリーとレイスの三角関係十五日目

レイスと女はトウモロコシ畑を歩いていた。風に揺られるトウモロコシの波紋を眺めながら。レイスは女の話を聞いていた。とめどなく溢れる女の悲しみをただ聞かされていた。どうしようもなくつまらない女の恋愛話。 「フラれちゃったか」 レイスは笑う。 「う…

ヒルビリーとレイスの三角関係十四日目

女はヒルビリーの寝室で立っていた。ベッドで布団を被るヒルビリーを見下げている。 「一緒に寝ない?」 「ごめんね」 ヒルビリーは布団を被ったまま女を見なかった。 「これからは一緒に寝るの止めよう」 「……」 「寒かったら布団さがしてきてあげるから」 …

ヒルビリーとレイスの三角関係十三日目

レイスがトンプソンハウスから自宅へ帰ると飛び跳ねるようにベッドに飛び込んだ。ふふっと笑いながら懐から機械を取り出す。ボタンを押すとガラス面に画面が移り出した。携帯電話の時刻と充電ゲージは止まったままだった。 レイスが指で携帯電話を操作をする…

ヒルビリーとレイスの共同生活十二日目

「そっか……ダメだったか」 レイスはがっくりと突っ伏す女の頭を撫でながら言う。役得だなと心の隅で思っていた。 「ここまでしてダメだもの、もう無理よ」 「まだ諦めるなよ」 「もうヤダ」 女は突っ伏したまますすり泣いた。こんなに愛されるヒルビリーは幸…

ヒルビリーとレイスの共同生活十一日目

ヒルビリーと女は脱衣所の扉の前で立っていた。何かを悩むようにヒルビリーは腕を組む。 「だから普通のことですって」 「そうなのかなー?」 「お風呂に一緒に入るくらいみんなやってますよ。レイスくんも言ってたでしょ?」 女は小一時間ヒルビリーの説得…

ヒルビリーとレイスの共同生活十日目

朝起きるとベッドにはヒルビリーはいなかった。布団から抜け出しベランダから農場を見渡すと重機に乗って農作業するヒルビリーの姿があった。 毎日毎日、朝早く起きて畑の管理をし農作物の世話をする。ヒルビリーの姿に心打たれた。同時にヒルビリーに構って…

ヒルビリーとレイスの共同生活九日目

女はタオルを手にヒルビリーの私室に向かった。ヒルビリーは作業テーブルに向かい本とノートを並べ何かを書いていた。それが国語用のテキストであることはすぐにわかった。 「ヒルビリーくん、ちょっといいかな?」 「どうしたの?ハニー」 そう呼ばれ女は少…

ヒルビリーとレイスの共同生活八日目

夜、月が満ち寒さが空間を支配し始めた時、女の部屋の扉が叩かれた。女がベッドから這い出て扉を開けると見知った顔があった。 「やあ」 ヒルビリーは明るい声で言う。いつもと変わらない穏やかで愛らしい姿がそこにあった。女は喜んでヒルビリーを迎え入れ…

ヒルビリーとレイスの三角関係七日目

その日、女はトンプソンハウスの客室に引きこもっていた。 ヒルビリーの部屋には行けなかった。昨日のヒルビリーの様子が恐ろしかったのだ。いつもはあんなに優しく穏やかだったヒルビリーが変わってしまった。また顔を合わせたらあの魔物が現れる。そう思う…

ヒルビリーとレイスの共同生活六日目・夜

女はひたすらヒルビリーの帰りを待っていた。ヒルビリーが家を出てからすでに数時間が経とうとしていた。 テーブルにはヒルビリーが用意したチーズとワインが置かれていたが女は手をつけなかった。食欲は湧かなかった。家を出るときにヒルビリーを覆っていた…

ヒルビリーとレイスの三角関係六日目・昼

夕方、ヒルビリーが自室でチェーンソーのメンテナンスを行なっていた。女は部屋の隅からその様子をただ見つめている。 ヒルビリーは片手にハンマー、片手にチェーンソーを持つと出口に向かった。 「どこかに行くの?」 「ウン」 ヒルビリーは振り返らずに頷…

ヒルビリーとレイスの三角関係五日目

朝、女が目覚めるとヒルビリーの姿はなかった。食卓に向かうとヒルビリーではなく別の人物がいた。 「やあ、おはよう」 レイスは女に挨拶をする。 「昨日はごめんね。怖がらせて僕はレイスって言うんだ」 女は怯えたようにレイスを見た。 「僕も君のことハニ…

ヒルビリーとレイスの三角関係四日目

テーブルにはトランプが散らばっていた。女がそれを回収し切って手札を回す。それぞれ5枚の手札のうち何枚かを捨て新たに手札に加えた。 「コール」 女は言う。そして手札を晒した。 「ツーペア、ジャックとセブン」 ヒルビリーも同じように手札を広げる。 …

ヒルビリーとレイスの三角関係三日目

眠りから覚めた女が目を開けると目の前には男がいた。その肌には所々火傷跡があり皮膚はねじ曲がりつぎはぎのようだ。 異形の怪物は女の隣で無防備に眠っていた。穏やかな寝姿に女は微笑むとその腕に絡みつくように頬を寄せた。 「ん、あ」 ヒルビリーは寝惚…

ヒルビリーとレイスの三角関係二日目

ヒルビリーの家に女がやってきてから一日が経った。ヒルビリーは女のためにせっせと働き食事を用意し寝床を提供した。 自分以外の第三者という存在はヒルビリーにとって新鮮だったのか、今まで行っていた仕事にさらに力をかけやる気を出していた。家は今まで…

ヒルビリーとレイスの三角関係一日目

女は手を中央にそびえる一軒家に案内された。その建築物は二階建てで立派な木造建築だった。見た目は廃屋であるが所々補修され生活感がある。ヒルビリーが普段から寝泊まりしている家であることがわかった。 「ついたよハニー。ここがオレの家だよ」 ハニー…

ヒルビリーとレイスの三角関係 プロローグ

朱色の日差しが辺りを包み込み、ほのかにオレンジ色に照らされるトウモロコシ畑をぬるい風が撫でた。澄み渡る広大な農場は気持ち悪いほど静寂で人の気配がない。農場であるにもかかわらず家畜の鳴き声ひとつもなかった。そんな農場に、銃声がこだました。そ…