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【殺人鬼との恋】プロローグ 異形の殺人鬼

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前書き:DeadbyDaylightのトラッパーの二次創作小説です。 暴力とか嫉妬とかをモチーフにしました。

 それは男に与えられた罰であった。

 男は親愛なる一人の父のため、数多もの人を殺め続け、その数はいつの間にか歴代の殺人鬼を遥かに上回る数となっていた。後悔はない。すべては自分で決めたことだ。その先が人の生を捨てた悪魔と成り果てることであっても、人の喜びを何一つ知ることはなくとも、自分が選んだ選択が間違っていたと思うことはなかった。そうして殺して殺して殺し続けて、男は気付くとかつて自分が住んでいた故郷に立っていた。父の手によって栄えていた男の故郷は荒れ果てた廃墟となり草臥れた瓦礫だけが無残に転がっている。再現された肉体は人としての形を模してはいたが、その姿はとても人間と言える外見ではなかった。異常なほどに発達した筋肉、人間の平均サイズを超えるほどの巨大な体躯、体中には鉄杭が刺さり、常時男に痛みを与え続けた。それは男の罪を象徴するかのようだった。だが、悪いことばかりではなかった。自分でも驚くほどの怪力と頑強な肉体がそこにはあった。人を殺すには丁度よい都合のいい体だ。死してなお、人を殺し続けるがいい。そんな神の意志が働いているような気がした。いや、悪魔だろうか。

 男の管理する広大な敷地。そしてその敷地に忍び込む愚かな侵入者。男はいつも通り自身が想定した手順に従って狩を続けていた。獲物は気まぐれだ。頻繁に来る日もあるし、連続して来ない日もあった。しかしその日偶然起きた出来事は本来あるはずのないバグであるとしか言えなかった。人を超越した神に類する存在が石ころにつまづくようなものだ。構築された世界とその意味を考慮しても、絶対的に起こりえない出来事だった。男はその日、初めて人を救った。男が呼ばれたこの世界に善なるものは存在しない。殺戮と死だけがこの世を支配する。この地に立った男には暴力以外の存在価値など無かったのだ。