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【殺人鬼との恋】第10話 関係性

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 殺人鬼は短い睡眠から覚め、朝を迎えた。陽の光は入らないしこの空間では時計の針も進まない。時の止まった空間で昼も夜もない。だから殺人鬼がそれを全て支配した。殺人鬼は小さく唸り声を上げて微睡みを振り払う。傍で男の腕を枕にして寝ていた女も釣られるように眠りから目覚めた。

「悪い、起こしてしまったか?」
 殺人鬼は当たり前のような動作で女の髪を撫でる。そしてその顔を覗き込むように近づけた。
「体調はどうだ?どこか不調はないか?」

 女の頬に手を当てて瞳の奥を覗き込んだ。念入り女の状態を探る。
「問題ないです…」
 殺人鬼に凝視され女は思わず目線をそらした。

「なら良かった」

 殺人鬼は笑った。そして女の頬を優しく撫でた。

「ついやりすぎてしまったな、痛くなかったか?」

「はい」

 昨晩のことを思い出し女は顔を赤らめた。恥ずかしくて殺人鬼の顔を見ることができない。

「ふっ、恥じるな。これから当たり前のようにするようになる」

 殺人鬼はいつもに増して上機嫌だった。

「当たり前のように……」

 女はその言葉を繰り返した。当たり前のように行われることならば自分は一体何なんだろうか。自分は殺人鬼の正式な恋人として認められたということだろうか。それだけではない。昨晩女の中に吐き出されたもの。もし子供ができれば自分は殺人鬼と家庭を作ることになるのだろうか。つかの間の沈黙の後、女は口を開く。
「私はあなたの何なんですか?」

 その問いに対して殺人鬼は迷わなかった。
「俺の所有物だ。永遠にな」
 それが男の答えだった。そして乱暴に女の唇を奪った。主従関係を終わらせる必要ない。ただ立ち位置が変わるだけだ。女は男の支配下に置かれ、服従を強いられる。前のような純粋な関係性は保てない、かといって夫婦になるというのも無理だった。女を逃してしまうことも考えた。だが女を逃し他の男と結ばれると思うと殺人鬼の中に歪んだ欲望が膨らみ女を壊してしまいそうだった。いまさらこの女のいない生活など考えられない。結果、導き出したのは殺人鬼による支配関係だった。男に脅され力で支配された結果、殺人鬼の妻となる。そうすれば彼女を責めるものはいなくなるだろう。女は殺人者に恋する社会不適応者から、殺人鬼に所有されただ殺人鬼の望みを満たすだけの被害者となった。やっていることや本人の気持ちはどうあれ結果より式が重要だ。今後二人の間に子供が生まれたとしても、責められるのは彼女らではなく自分一人でいい。
 長く支配的な接吻。女の口内を殺人鬼の舌が絡まり唾液が送り込まれる。女は目を閉じ、殺人鬼の答えを受け入れた。