HeavyNovel |二次創作小説・Web小説サイト

二次創作小説やWeb小説などを取り扱っています。

二次創作小説やWeb小説などを取り扱っています。

【殺人鬼との恋】第13話 愚かな犠牲者

f:id:tableturning:20161030151355j:image

 チョイ悪のヤングなグループに憧れていただけだった。地味で取り柄のない自分から強い男になって女にモテたい。それだけだった。悪い男になれば女にモテると思った。必死で友人に懇願し土下座してグループに入れてもらった。しかし蓋を開ければ下っ端としてこき使われ、高額な上納金をカツアゲされる。さらに今、森の奥に連行されて謎の男に殺されかけている。

 

ークソッ!クソッ!ー


 少年は心の中で毒付いた。これではあまりにも割りに合わなすぎる。これも全て奴のせいだ。いい気になっているあいつ……!

「うわっ!!」

  少年は突如、首根っこを掴まれ草むらに引きずり込まれた。地面に打ち付けられ湿った草と土の匂いが充満する。

「走るな、足跡で殺人鬼に見つかる」

 そこには少年が心底嫌っていた不良グループのリーダーがいた。見た目は地味で質素だがとんでもなく凶暴だ。その恐ろしさは身をもって体感している。

「あの殺人鬼はトラップを使う。迂闊に走ると足がなくなるぞ」

「と、トラップ?」

 そう言われ少年が周囲を見渡すと、確かに草の中に紛れて木製のベアトラップが設置されてた。

「ひっ」

 あのまま走っていたらどうなっていたとだろうか。あまりの恐ろしさに全身が凍りついた。

「トラップ使いのトラッパー。あの殺人鬼は無敵だ、銃で撃っても全く効かない。だが弱みはあるはずだ。あいつの行動には法則がある。俺は一度あの屋敷に向かう。殺人鬼があの周囲を基点に巡回してるからな。あそこに何かあるんだ」
「屋敷…でも危険なんじゃ」

「ああ、危険だ。だが俺に策がある」

「作戦?いったいどうやって…?」

 その瞬間、少年の背に衝撃が走り草むらの外へと蹴り出された。少年は自分を蹴ったリーダーを見つめ、呆然とする。慌てて体勢を立て直し立ち上がると、足に痛みが走った。自分の足に、木製のトラバサミが食い込んでいたのだ。

「う、うっわわわわあああ!!たすけ、助けて!」

 少年が叫び声を上げると、何者かが少年の背後に歩み寄るのを感じた。

「お願いだ!罠を外して!わな…」

少年は振り返り言葉を失った。振り返るとそこには、大男の姿が。