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【殺人鬼と三角関係】第11話 はぐれ者たちの性教育

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 その日の朝、本田家の家長、実典実を含む4人は朝食を囲んだ。テーブルにはミニトマトとレタスをあしらった簡易的なサラダと玉ねぎのグラタンが並べられた。

 「いただきます」
 実典が一礼するとそれに習い3人の殺人鬼たちも一礼した。そして朝食を口に運ぶ。
「ミノリさんの料理はいつも美味しいですね」
 美しい容貌の狂った殺人鬼、ケヴィンは実典の顔を見ながら言った。ケヴィンは実典の隣に座りやたらと距離が近い。実典の体にベタベタと触り何かにつけて話かけている。昨晩の夜からずっとこの調子だ。やたらと鬱陶しい。巨大な体躯を持つ強面の殺人鬼、エドワードは冷めた目でその様子を見ていた。実典の表情からは感情がうかがえない。いつも通りの優しい表情だ。しかし何か変化があったことは読み取れる。それが良いことなのか悪いことなのかエドワードには分からなかった。
「ケヴィン、ずっとミノリにくっついてる」
 醜悪な外見の少年、ウィリアムが不服そうに言った。四六時中、実典を独占されてうざったそうにしている。
「ふふ、当たり前でしょう。ミノリさんと僕は正式な恋人同士なのですから」
 ケヴィンは自慢げに言った。実典のフォークを握る手がわずかに震えた。
「なんだと?」
 エドワードは訝しげに眉を顰めた。
「あ?悔しいですか?悔しいんですか?僕たちが付き合ってるから悔しいんでしょう。将来結婚の約束をした僕たちが羨ましいんでしょう?」
「それは本当なのか?ミノリ」
 浮かれるケヴィンを無視して実典に問うた。数日前に実典の様子を見ればケヴィンの気持ちを受け入れるなどあり得ないことだ。
 実典はしばし沈黙すると口を開いた。
「本当ですよ。ただ予定です。先の話ですよ。まだお互いに知らないことが多いですから。一年だけ待ってもらってます」
 実典は震えそうになる声を押さえつけ感情を必死に抑えながら言った。そしてケヴィンの心を傷つけない様必死で言葉を選んだ。
「いや、だが……」
 エドワードは言いかけてやめた。ケヴィンがいるこの状況で話しても意味がない。ケヴィンがいないところで話した方がいい。明らかに良い兆候ではない。
「愛する人と一緒に居られるだけでこんなに幸せなんて、エドワードさんには分からないでしょうね」
「……」
 エドワードは黙って居た。
「アイ?コイビと?結婚っテナニ?」
 ウィリアムは不思議そうに言った。
「そうですねえ、恋人というのは…」
 実典は少し間を置く。
「あとで説明しましょうか」
 実典は上品に食事を続けた。

 



 朝食が終わると実典は台所で洗い物をしているケヴィンを呼んだ。
「ケヴィン」
「ミノリ」
 ケヴィンは振り向くと実典に抱きついた。
「あの、悪いことじゃないんですけど、こういうスキンシップはまだ早いというか」
 ケヴィンは実典を離すと空虚な目で実典を見た。実典は内心、緊張感を持ちながらケヴィンに告げる。
「あまり早いうちからベタベタしているといざ付き合った時にすぐ飽きちゃいますよ。友達の様なことができるのは今だけなんですから勿体無いですよ」
 実典は微笑む。偽りはなく本心だった。ケヴィンは少し間を置くと納得した様に頷いた。
「確かにその通りかも。分かった。今は友達見たいな感じを楽しむよ。でも安心して僕は飽きたりしないから。あとたまには抱きしめてもいい?」
 ケヴィンは暗い眼差しを傾けて実典をじっと見た。実典はどぎまぎしながら頷いた。
「うん、いいよ」
 実典は答えた。
「私ちょっと散歩に行ってくるね」
「うん、掃除は終わらせておくよ。すぐ戻ってきてね」
 実典はリビングを後にした。玄関から外に出ると全身に疲労が湧いた。膝を折り大きく息を吐いた。
「ちょっといいか、ミノリ」
 玄関の門の前でエドワードが立って居た。門に腕をかけ、まるで実典を待って居たかの様だ。服装は作業着だ。話を終わらせたらすぐ仕事に向かうつもりだろう。
「ケヴィンのことだ。あれはお前の本心なのか?」
 エドワードは淡々と言った。本心なわけがない。そう言いかけそうになった。実典は立ち上がる。
「本心よ。私もケヴィンが……好き」
 その言葉だけが鉛の様に重かった。舌を噛むような拒絶感。自分の意思に逆らうのはこれほどまでに苦しいことなのか。
「嘘だな」
「……」
 実典は黙りこくった。
「ケヴィンの奴、かなり危険だ。お前に拒絶されたら殺しかねない狂気がある。それくらいお前に依存している」
 エドワードは遠くを見つめながら言った。
「別にケヴィンに依存されるのはいいの。可愛いとは思ってる。ただ……」
 人殺し。
「私はケヴィンの過去も育ってきた環境も何も知らない。だから結婚とか恋人とか言われても決断し難いだけよ」
 実典は言った。
「だったらそれを知る他ないな」
「でもケヴィンは嫌がるわ」
 ケヴィンの過去に対する拒絶、闇の様なものはみんな感じて居た。それは恐ろしく邪悪なものだ。そしてそれはケヴィンだけでなく全員が持っている。
「私はケヴィンを愛するよ」
 実典は断言した。
「そうか」
 その言葉はエドワードを傷つけた。
「まだ時間はある。俺もできる限り手回しはしよう」
 エドワードは顔を上げ門から離れると実典に向き直った。
「もう時間だ。頑張れよ」
「ありがとう。エドワード」
 実典は言ったがその目には未だに警戒心が残って居た。殺人者であるというハードルは思った以上に大きい。

 



 午後、実典はいつものようにウィリアムの教育に付き合っていた。ウィリアムの飲み込みは意外に早く、教科書を自主的にすらすらと解いていた。実典の補助もすでに必要としていない。
「コイビトってナニ?」
 ウィリアムは国語の教科書を開き、無邪気な顔で実典に問う。ずっと気になっていたことだ。
「好きな相手を束縛することですかね。他の人にくっついたりベタベタしないように恋人っていう関係になって束縛し合うんですよ。好きなって言っても普通の好きとは違う繁殖相手としての好きですよ。愛とも似ているかもしれません」
「スキってなに?ミノリがスキとはチガウすき?」
「そうですね違うかもしれませんね。好きとか愛というのは誰かを特別だと認めるということなのかもしれません」
「トクベツ?」
「たとえば女性に対して優しくて美人だから好きとよく言いますが、世の中には優しくて美人な女性なんていくらでもいますよね」
「うん」
「じゃあ他の優しくて美人な女性を恋人にすればいいじゃんって言う話になるわけです。でも実際は他の優しくて美人な女性では満足できない。ということはその人は優しくて美人だから好きなのではなくて、その人がその人であるから好きということになるんです。それは相手のことを似たような個性を持つ複数の中から特別なたった一人の人であると認めたことになります。このように好きというのは形のないものなんです。厳密に好きな理由というのは存在しません。その理由をもつ別の人でもいいってことになりますからね」
「ムズカシイ、でもナントナクわかる」
「だから人は愛に焦がれるんです。複数の個の集合体である自分をたった一人の人物であると認めてくれるものだからね」
 ウィリアムは不思議そうな顔をした。
「じゃあケッコンは」
「恋人の延長上にあるものでしょうか。こいつなら一生を共にしても苦じゃないなって思ったら結婚へといたります。人によってはずっと一緒に暮らして子供を作ったりしますよ」
 ウィリアムは不思議そうに首をかしげた。分かるような分からないような不思議な感じだ。実典の適当すぎる授業はとりあえずそれだけで終わった。おそらく実典の説明だけでは繁殖システムを理解することはできないだろう。夕方、ウィリアムはきちんとした大人の一人であるエドワードの元へと赴いた。
「エドワード、ケッコンってなに?」
 純真な顔で問うた。
「結婚?なぜそんなものを知りたがる」
 エドワードは本を閉じるとウィリアムと向き合った。
「結婚というのは家庭を作るということだ。妻をもらい跡継ぎとなる子供を作って育てる。そして男は妻と子を守り妻は夫を支えるんだ。命を生み育て、親が築いたものを後世に伝える。それが人の営みだ。その入り口が結婚。だから結婚というのは人にとって特別で大切なものだ」
「ミノリは恋人の延長ダッテ。一緒にイテ辛くなかったタらケッコンするッテ」
「そんな風に説明していたのか!それは断じて違うぞ!結婚というのは互いに真剣な関係を持つということだ。一度契りを交わしたら互いを尊重し支え続ける絶対的な相手となるんだ。くそ!なんて教え方しているんだ!ちょっとミノリと話してくる!」
 ウィリアムは良く分からなかった。念のためケヴィンにも聞くことにした。台所に向かう。
「ケヴィン、結婚ってナニ?」
 ケヴィンは上機嫌で片付けと掃除をしていた。
「結婚ですか?僕もいつかミノリさんと結婚するんですよねー」
 ケヴィンはデレデレと顔を赤らめた。
「シツモンに答えル」
「あ、はい。結婚って言うのは愛する人とするものですよ。自分がずーーーっと一緒にいたいと思うくらい愛する人夫婦になってずーーーっと一緒にいるんです。素敵なことでしょ」
 ケヴィンは目を輝かせていった。
「アイシテる?」
「そう、ぼくはミノリさんを愛しているしミノリさんも僕を愛していますよ」
 ウィリアムは不思議そうにケヴィンを見ていた。これ以上こいつに聞いても何も勉強になりそうもないと思った。ウィリアムはその場を後にして居間へとむかった。
 居間では実典がコタツに入りくつろいでるところにずかずかとエドワードが入り込んでいた。そして何か口論をしている。
「だーかーらー、嘘じゃないじゃないですか、結婚ってのはこいつなら我慢できるなって人とするのが丁度いいんですよ!」
 実典はやる気がなさそうにこたつに潜りながらエドワードに反論していた。
「なんだその適当な判断基準は!それでウィリアムが勘違いしたらどうするんだ!」
 対するエドワードは真剣だ。子供の教育方針に首を突っ込む父親のように説教していた。
「うーちゃんはいい子だから心の綺麗な人と結婚できるよ。優しい子だから人を責めたりしないもん。上手くいくよ!」
「結婚はそんな甘いものじゃない!お互いの覚悟と責任があるんだ!それをちゃんと教育しないとダメだろう!」
「はあ?愛だの恋だの本気で信じてるんですかあ?どうせ数年経ったら消えるのに。加点方式で見てたら幻滅して上手くいきませんよ」
「お前は夢も希望もないのか!」
「失敬な!私の夢を人と同じ規模で語らないでください!」
「だったらお前は俺と結婚できるのか!?」
「人殺しじゃなかったら結婚したいと思いますよ!?」
 エドワードは一瞬、硬直し言葉に詰まった。こいつは本気で言ったのだろうか。
「エドワード、ミノリ……おれのためにケンカシテル?」
「あ、うーちゃんだ。こっちにおいでー」
 実典は笑って手招きした。ウィリアムは控えめに実典の隣に座った。
「ふん……」
 エドワードもこたつに座り、テーブルに置いてあった急須を取り、自分の湯呑みにお茶を入れ啜った。
「ミノリ、最後にワカラナイコトある」
「何々?聞いてごらん?」
「コドモってどうやって作るノ?」
 エドワードは思わずお茶を吹き出しそうになった。この質問にどう答えればいいのか一瞬ためらう。
「子供の作り方ですか?」
 実典は冷静に言った。そしてその口から怒涛の言葉が吐き出された。
「本来人間が種を増やすのなら自己分裂が一番早いんです。自分自身の細胞を切り離してコピーを作るんですね。ですがそれだと伝染病などによる全滅のリスクが非常に高くなります。全員同じ遺伝子ですから弱点も同じってわけ。最悪な話、風邪を引いて種が全滅です。それじゃあ意味がない。それを避けるために人間は他人の遺伝子を自分の中に組み込み、種を増やすというやり方を選びました。異性同士で自分とは異なった遺伝子を取り込んで差異をつけ、簡単には絶滅しないようにしたんです。人間の遺伝子を自分の中に取り込んでコピーではない差異を持った人間を作るのです。これが人間の繁殖です」
「ハンショク!ワカッタ!」
 ウィリアムは納得したようだ。エドワードは頭を抱えた。今の説明で何がわかったのか不思議で仕方がない。
「ですが繁殖にはリスクがあります。病気です。繁殖時における遺伝子の取り込みは互いの体液を交換する方法で行われるため病気の伝染につながります。一人で複数の人間と繁殖をすると悪質な病気のリスクがあるのです。そのため人は多数と繁殖せず一人から二人の少人数の繁殖を選びました。なので恋人も多数作るわけでなく一人だけと決まっているのです。特別なたった一人の人と子供を作るのはそういうことです。結論から言うと愛だの恋だのは優秀な遺伝子を選別するための機能でしかありません」
「ナルホド!」
 ウィリアムは笑って納得した。
「おいちょっと待て、なんだその説明は!」
 エドワードはこたつから立ち上がり怒鳴った。
「何って私なりの性教育ですけど」
 実典の顔はいたって真面目だ。
「どこが性教育だ!植物の細胞分裂じゃないんだぞ!」
 実典は拗ねた。そしてこたつに突っ伏して言った。
「じゃあエドワードさんが説明してくだしあ」
 やる気を失った実典はむすっとしたまま動かなくなってしまった。エドワードは静かに腰を据えるとしばし考えた。一度実典を見て、ウィリアムを見る。女性の前でセックスの話をしろって言うのか?エドワードは言葉に詰まる。
「子供っていうのは……」
 重い口を開く。実典は芋虫のように突っ伏してエドワードを見つめている。ウィリアムも真剣にエドワードを見ている。嫌な空気が漂っている。
「おしべとめしべが」
「オシベメシベ?」
「……」
 エドワードはしばし考えた。
「だから……男が女の中に命の種を送って、それを女の腹の中で育てて子供を成長……させる」
「育ったらどうなるの?どこから生まれてくるノ?」
「それは…女性の……股から…子供が出てくる…」
「はぁ?それっておかしくねぇ?帝王切開だったら股じゃなくて腹から出てくんじゃん」
 実典は指差してモノを言った。
「なんだと、お前に出産の何が分かる?なめるな」
「はぁ?それおかしくね?お前も出産のことよくしらねーじゃん」
 実典は茶々を入れた。
「ソレデ?ドウヤッタラコドモデキル?」
 ウィリアムは更に問う。
「だから…それは…男の……その…」
「あーもういいですよ、私が説明しますよ。だから子供っていうのは異性の遺伝子を体内に取り込んで……」
「お前は黙っていろ!」
 実典の話を一括して止めた。また変なことを言いだすのだろう。
「子供の作り方の話は止めだ、真似して子供作られたらいかん。子供を作るのには責任が必要だ。不用意な行為はダメだ。最近は子供ができてから結婚する不純な奴もいるがな!」
 エドワードは吐き捨てるように言った。
「はぁ?それっておかしくねぇ?愛と責任があったなら順序なんてどうでもいいじゃん」
 実典は再び指差してモノを言った。
「どうでもいいわけあるか!物事には順序が大事だ!妊娠したから結婚するなど恥だ!愛と責任があろうが子供ができたから結婚するなど順番が違う!望まれない子を増やす気か!?子育てをなめるな!」
「はぁ?それっておかしくねぇ?子供は授かりものだろ?望まれなかろうが望まれようが命は命じゃん。むしろ結婚してから作るとか作らないとかそんなの大人のエゴじゃねーの?大人が望まなかったら子供は不必要だった子なのかよ。例え順序は違くても立派に育ってる子はたくさんいるぞ。そもそもお前子供いないじゃん」
 実典は指差しながら極めて適当にモノを言った。もはや主張の正当性や論理などどうでもよくエドワードを論破することが目的となっていた。
「おかしいぞ!その反論はどう考えてもおかしい!」
「全然おかしくありませーん」
 立ったまま吠えるエドワードに対して指を立てて挑発する実典。そんな馬鹿げたやり取りをしているとケヴィンが居間へやってきた。
「3人とも一体何を話しているんですか?楽しそうで僕嫉妬しちゃうな」
 ケヴィンは当たり前のように実典の隣に直行し座った。狭いコタツが更に狭くなったせいで実典は不機嫌になった。
「うーちゃんが子供がどうやったらできるのか知りたいんだってさ」
 実典は言った。
「なんだそんなことですか」
「悪い。ケヴィン…助けてくれ」
 ケヴィンは頭を抱えて困惑するエドワードを一瞥するとウィリアムに向き直った。
「まぁまぁ、子供っていうのはまず女性と男性が必要なんですよ。子供というのは命を後世につなぐための愛の結晶です」
「それはワカル」
「そうですか。二人の異性がお互いを愛しあってその結果子供が生まれる。そして母と父の愛によって子供は成長し大人となる。そしてまた子供を作って育てるんです」
「ワカッタ!」
 実典とエドワードはほっとした。これなら大丈夫そうだ。
「それで子供を作る具体的な方法ですが、まず裸になる必要があります」
「ハダカ?」
「そう、服を全部脱ぎ捨てるんです」
「ナンデ?」
「それは……」
 3人はケヴィンを見つめた。
「男性の○○○を女性の○○○に○○○してもらって○○○をするからですよ!そしてお互いが○○○して○○○をし、×××をして○○○を×××してさらに×××で女性を○○○するんです!それは○○○にとって最高の○○○で男性が女性を○○○し×××して最後に×××をすることで最高の○○○が生まれるんです!!それはとても○○○な瞬間で…」
 ケヴィンの美しい唇から出てくる怒涛の際どい下ネタの数々。その内容はあまりにもマニアックで常人の理解を超えていた。ケヴィンの想像する常軌を逸したプレイ内容は二人を凍りつかせるには十分だった。実典とエドワードは絶句してあっけに取られた。ケヴィンがふと前を見るとエドワードと実典が頭を抱えて俯いていた。二人はケヴィンを見ようとしない。ウィリアムだけがただきょとんとしている。
「私、もう寝るわ」
 実典は立ちあがり居間を後にした。
「俺も寝る」
 エドワードも居間を後にした。
「え、ちょっとちょっと!僕変なこといいましたか!?」
 実典とエドワードは並んで歩き、呆れた顔で話し合った。
「ミノリ、本当にあの変態と付き合うのか?」
「……無理かもしれない」
 ケヴィンは居間に取り残されがっくりと項垂れた。
「ケヴィン…コドモニツイテハヨクワカラナイ、でもケヴィンはミノリのどこがスキなの?」
 ウィリアムは不思議そうに言った。
「え、僕ですか。そりゃあミノリさんは髪が綺麗で優しくて品があって頭もいい。だけど小さくて可愛らしいじゃないですか。素敵な女性ですよ」
 ケヴィンは恍惚として言った。
「ソッカー!じゃあケヴィンはミノリがスキジャナインダネ!」
「はぁ!なんでそうなるんですか!!?」
 ケヴィンは驚いてウィリアムを見る。
「だってミノリ言ってタ!ヤサシイひともキレイナひともイクラデモイル!カワリナンテイクラデモイル!理由がないスキハソノヒトをたった一人の特別とミトメルコトナンダって!」
ケヴィンは絶句し、ただただあどけなく笑うウィリアムを見つめていた。