HeavyNovel |二次創作小説・Web小説サイト

二次創作小説やWeb小説などを取り扱っています。

二次創作小説やWeb小説などを取り扱っています。

【殺人鬼と三角関係】第20話 招かねざる来訪者

夜。外はすっかり闇で覆われ虫も寝静まっている。それなのに殺人鬼の保護者である本田実典の部屋からは男女二人と思われる声がかすかに聞こえてきた。
「だ……から……ここを……こうして」
「こ、こう?」
「そう、上手……次は」
ケヴィンは体が震えた。まさか、そんなはずはない。実典の恋人は自分だ。ならばこの部屋で行われている情事は一体何なのか。ケヴィンは首を振る。そして最悪の妄想に頭を支配された。実典の浮気。嫌だ。それでも確認しなければならない。そうでなければ納得ができない。ケヴィンは意を決して冷たいドアノブに手をかけた。扉がゆっくりと開く。
「ていっ!ていっ!ていっ!これでもくらえっ!!どうだ!参ったか!!」
実典がゲームのコントローラーを握りしめて画面に向かって叫んでいた。
「うわっ!くっ!ミノリ、ミノリうるさい!うわっ!」
ウィリアムが必死に実典に応戦していたが実典が煩いため迷惑そうだった。
「うるさくなかったら、実況プレイにならんだろ!とりゃっ!」
実典はブツブツ言いながら高らかに相手のキャラを投げ飛ばした。弱・中・強のエアリアルコンボを決め、最後にメテオを食らわせて穴に突き落とす。
「うわあーーっ!オレのキャラがーー!」
ウィリアムは泣きそうな顔で叫んだ。
「フヒヒヒヒ!」
実典は気持ち悪い顔で勝利の笑みを浮かべる。ケヴィンは近づくと二人を冷たく見下ろした。
「何やってるんですか。二人とも」
冷めきった声でケヴィンは言う。
「えっ?ああ、うーちゃんと実況プレイ動画を撮ろうかと」
実典はケヴィンに気づくとあたふたとパソコンを操作し言い訳がましく説明した。
「やめて下さい!ネットの海に黒歴史を垂れ流すつもりですか!?」
ケヴィンは普通に怒った。
「なんだと!金になるんだぞ!実況プレイ動画は!私はこれから実況プレイヤーとしてデビューするんだ!邪魔するな!」
実典も負けじと応戦する。
「いやどう考えても無理でしょ!もっと真っ当な手段でお金を稼ぐ方がいいですよ」
「はーしょうがないなあ、じゃあうーちゃん。次は歌ってみたの動画を作ろうか」
「さんせーーい!」
ウィリアムは立ち上がってはしゃいだ。
「やめて下さい!僕の部屋まで声がダダ漏れですよ!近所迷惑です!」近所というよりもそれは主にケヴィンに対してだが。
「なんだと!あんまり文句言うと私のパソコンで深夜にエロサイト見てること親にバラすぞ!」
実典の渾身の一撃。ケヴィンは思わず息を飲んだ。まさかバレてるとは思わなかった。
「あれあれー?ケヴィンくんってどういうジャンルが好きだったんだっけー?この前は確かー」
実典は抑揚のない声で言った。軽いジャブだったがケヴィンに対する精神攻撃としては必殺レベルのものだった。
「ち、違います……あ、あれは筋肉ハゲ野郎の……」ケヴィンは狼狽し顔を真っ赤にして涙を溜めながら、
「うわーー!ミノリのバカ!!」
叫びながら部屋を出て行った。
「ミノリ……鬼畜」
ウィリアムは小さく呟いた。実典はバツの悪そうな顔をしながらその場に座り込む。すると、携帯に着信が入っていることに気づいた。ゲームに熱中していたせいで気づかなかった。履歴を確認して折り返しをかけた。
「えっ、あ。私だけど。え?明日!?いや、そんな急に、え!?あ、そう?わ、わかった。じゃあ」
実典は電話を切った。
「何かあった?」
ウィリアムは心配そうに聞いた。
「明日、親がくるって」
「えっ!ミノリのお父さんとお母さん!!」
実典は頷いた。

 

*


翌日。リビングでは殺人鬼の間で会議が開かれていた。二人の大男が睨み合っている。実典の両親は殺人鬼に会ってみたいと言っている。だが実典の意思により合わせるのは一人だけだ。
「ご両親に挨拶するのは俺だ」
エドワードはケヴィンを睨みつけて宣言する。
「いや、僕が出ます。ヴィジュアル的にもその方がいい」
ケヴィンも負けじと言い張った。
「ふっ?お前がか?世間知らずで常識もない癖にか?」
エドワードはバカにしたように笑った。
「ハゲの筋肉ダルマがいきなり出て来たらご両親がびっくりしちゃいますよ。それに僕はミノリの婚約者ですから」
「いい加減しろ。それに実典はまだ返事待ちの状態だろ!」
「エドワードさんはミノリの何を知ってるんですかあ?僕はミノリにキスしてもらったことがありますよー?」
煽るように言うケヴィン。エドワードは一瞬戸惑い息を詰まらせた。
「キ、キス……!俺はいつも実典の相談に乗ってる。実典がお前に相談したことがあるか!?」
ケヴィンはぐぬぬと唸る。
「それがなんだって言うんですか……僕なんか、僕なんか、ミノリとお風呂に入ったことがあるんですよ!」
「風呂だと!!?」
エドワードは目を見開き狼狽した。体を震わせ必死に湧き出る動揺を抑え込む。
「そ、そ…それがなんだって言うんだ……」
エドワードの声は震えていた。ケヴィンは勝ち誇ったように踏ん反り返っている。
「それが、なんだって言うんだ。男が女にしてもらってばかりだと?男なら女に与えてみろ。お前はいつも実典にしてもらってばかりじゃないか」
エドワードはケヴィンを睨んだ。
「何が言いたいんですか」
ケヴィンも負けじと睨み返す。
「俺は実典に生活費を入れている。お前は仕事もしていないヒモだ!」
「ぐぬっ」
「そういや実典は言ってたよなあ。無職の夫は嫌だって。ああ、これじゃあ一番夫に相応しいのは俺しか居ないようだな」
エドワードは嘲るように笑った。ケヴィンは歯ぎしりをしながらエドワードを睨みつけた。
「僕はミノリに子供を産ませられる」
聞こえるか聞こえないかくらいの声で言った。エドワードに致命傷を食らわせる最悪の言葉だった。
「は?何を言っているんだ?」
「僕はミノリに子供を作って上げられるって言ってるんだ!」
ケヴィンはニヤリと笑った。
「何を言ってるんだ子供くらい俺だって」
「エドワードさんって三十代後半でしょ?たしか男性の精子って年齢とともに老化するんですってね。30後半から自閉症がでやすくなるとかなんとか。でも僕はまだ二十代だから、さ。ミノリに健康な子供を産ませてあげられるよ。可愛いだろうなあーミノリと僕の子供は」
残忍な言葉を平気で口にするケヴィン。ふとエドワードを見るとその顔は老人のように生気がなかった。エドワードは踵を返すと無言でリビングを立ち去り自分の部屋に帰っていく。その背中は煤けていた。
「勝った!」
「ケヴィン……最悪」
一連のやりとりを静観していたウィリアムが初めて口を開いた。そこに実典が慌ただしくリビングに入ってくる。
「そろそろ親がくるけどどう?準備できた?」
実典の服装はラフなものであったが薄く化粧をしておりいつもより綺麗に見えた。
「はい!バッチリです!」
元気良く返事をするケヴィン。実典は拍子抜けしたように問い返した。
「あれ!?エドワードは!?エドワードはどこ行った!!?」
「エドワードなら戦意喪失して部屋にこもっタ」
ウィリアムが答えた。
「はあ!?なんだよあいつ!こんな時に」
「だから僕が出ますって!」
ケヴィンは叫ぶが実典は無視した。
「じゃあウィリアム!ウィリアム一緒に来い!」
「イヤ。オレでたくない」
「何で!?」
「大人コワイ」
実典は頭を抱えた。
「仕方がありません。僕が出るしかありませんね」
実典は呆れたように溜息をつく。
「変なことを言ったら承知しませんから」
暗い声で言った。状況は前途多難だ。

 

*


客間に二人の老人がいた。白髪と黒髪が入り混じった中肉中背の老夫婦だった。品のよく真面目そうな顔立ちで無害な一般市民を代表するような見た目だった。和室のこたつで並んで暖を取っている。
「母さん、父さん。久しぶり」
実典が部屋に現れた。
「実典、久しぶり。元気でやってるの?体は無事なの?」
「父さんと母さんは実典のことが心配で心配で」
矢継ぎ早に二人は言う。実典は笑って答えた。
「ああ、大丈夫だよ。みんなとも仲良くやってるよ。そうだ紹介するよ。ケヴィン、入っておいで」
リビングの奥から隠れていたケヴィンが和室に入ってきた。実典の両親はその姿に釘付けになった。すらりとした身長、程よく鍛えられた逞しい筋肉、美しい金髪と金の瞳、険しいが整った顔立ち。その姿には輝きがあった。ケヴィンは実典の隣に座った。こたつが狭くなったせいで実典は不機嫌になった。
「が、外国の方なのね……」
「随分イケメンじゃないか……?」
二人はケヴィンに見惚れた。
「ケヴィン、変なこと言ったら本気で怒るから」
実典は二人に聞こえないように言った。
「大丈夫、任せてミノリ」
ケヴィンは実典にウインクをした。
「初めまして。お義父さん、お義母さん。僕はケヴィンと言います。ミノリとは結婚を前提にお付き合いさせて頂いてます」
実典はお茶を吹き出しそうになった。ケヴィンは身を乗り出しさらに続ける。
「お義父さん!お義母さん!ミノリさんを僕にください!!」
「えっ、あ?そうなのか、そう言うことなのか実典」
父は実典を見た。母は目を輝かせて感動していた。こんな美しい異国の男性が婚約者だったとは。
「違う違う違う!!ケヴィンは冗談で言ってるだけ!!信じないでよ!!」
テーブルを叩いて強く否定する実典。
「それで実典とはどこまでいってるの?」
母がケヴィンに問う。ケヴィンは誇らしげに答えた。
「はい!ミノリとは毎日キスをしています!一年後に結婚する予定です!ミノリのことなら何でも知ってますよ!身長163センチ、体重57キロ、スリーサイズは上から89、72、88。誕生日は3月30日、それから」
実典は立ち上がりケヴィンの後ろ襟を掴んだ。
「ケヴィン、ちょっと来い」
その目はいつになく凶暴だった。
「えっ、ちょっ、ミノリ!?何するの!まだ話しが!ぎゃあああああ」
実典の指輪が鎖に変形しケヴィンに巻きつき刺さった。巻きつかれたケヴィンはそのままリビングの奥へと引き摺られて言った。リビングの奥で実典の怒声が鳴り響く。ウィリアムはそそくさとリビングを通り抜けて急須を手に両親の前に現れた。
「ごめんなさい、ケヴィンが失礼なことをしたようで」
申し訳なさそうに、二人の湯飲みにお茶を注ぎ茶菓子を差し出すウィリアム。二人は慌てたように取り繕った。
「いやいや、いいんだよ気にしないで」
両親の目の前に現れた少年は傷だらけで骨格も歪み醜い容姿をしていたが話し方や言葉遣いはしっかりしており所作も丁寧で好感が持てた。優しい声色で何となく話しやすい印象を与える。そしてその間もリビングから実典の怒鳴り声が響いてきた。
「父さんと母さんの前で何勝手なこと言ってるの!!?ふざけないでよケヴィン!!勝手に話を進めないで!大体いつから結婚が決まったのよ!バカなこというのは止めて!」
盛大にキレる実典。
「だ、だって僕たちのことを認めてもらおうと思って!」
実典はテーブルを蹴った。いつも以上に暴力的な音がリビングに響く。
「何がミノリさんをくださいだ!!そんなことを言う暇あったらとっとと職についたらどうだ!!ああん!?この無職のヒモ男!!」
「ひぃいいっ」
「何がお義父さん、お義母さんだよ!!いつからお前の両親になったんだ!!てめえに言われる筋合いはねえわ!!」
実典の説教はなかなか終わらなかった。
「き、君たちはいつもあんな感じなのかい?」
実典に怒られているケヴィンを遠目で見ながら父が問う。
「そうだけど、ミノリがあれほど怒るのはメズラシイ」
ウィリアムは答えた。
「ケヴィン、アタマ悪い。だからいつも変なことばかり言う。だから気にしないでください」
「ああ、そうなの?」
「ウィリアムくんは若いのにしっかりしてるのねえ」
実典の母が言った。
「どう?実典は。仲良くやってるのかしら」
「実典はボクたちの絶対的存在。悪いことすると怒られる。でもボクたちみんなミノリが好き。家族!」
「そうなのか、でも実典少し変わってるだろ?気遣いとかしないし割と自分勝手だし空気も読めないし女性らしさもないし。嫌な思いとかさせてないかね」
実典の父が言った。
「そんなの世間から見た一般論です。ボクたちにはボクたちのコミニュケーションがありマスヨ」
「そ、そうかい。やっぱりしっかりしてるね。ウィリアムくんは」
「お義父さんもしっかりしないと大切な人を守れませんよ」
「ぐふっ……」
父はお茶をこぼしそうになった。そこで実典の母が立ち上がる。
「ごめんなさい、お手洗いに行ってくるわ?」
「お手洗いは部屋をデテ右手奥デス」
「ありがとう」
実典の母は部屋を出て行った。
母は和室を出ると玄関を見渡した。天井が高く広々とした新築。あの雑な実典が管理しているわりに掃除か行き届いておりインテリアも繊細で上品だった。母がしばし新築の家に見惚れていると、いつのまにか前方に巨大な大男がいた。頭はスキンヘッドで見た目が厳つい。鍛えられた筋肉は見事なものでその存在感は威圧すら秘めている。上ばかり見ていたせいで気付かなかった。思わず悲鳴をあげそうになる。
「驚かせてすまない、マダム」
エドワードは跪いて母の目線に合わせると優しく微笑んだ。
「私の名はエドワード。実典さんにはお世話になっている。遠方から遥々いらっしゃりお顔を見せて頂いたこと誠に感謝する」
エドワードは至極丁寧に、上品な動作でそう言った。
「えっ、あ。ど、どうぞお立ち上がられになってください」
母がどぎまぎしながら言った。エドワードは優しく笑う。
「やはり実典さんのお母様ですね。所作に品のある素敵なご婦人だ。どうですか?本日はこちらで夕飯を召し上がられては?」
「あ、ありがとう。でも今日はすぐ帰らなければならないのよ」
「そうですか、それは残念だ。もしよろしければ今度私にご馳走させてください。客人に持て成すためいくつか料亭を確保しているのです」
「まあ、ありがとう。でもお高いんじゃないの?」
「ははっ、ご心配なさらず。私の貯金には幾分か余裕があるのです。それに宵越しの銭は持たない主義でね」
「随分と古い言葉を知っているのね」
「ええ、日本文化については勉強しましたから。よかったらこちらは私の連絡先です。なにかご相談がありましたらお気軽にお電話ください」
エドワードは懐から名刺を取り出すと母に差し出した。
「あ、ありがとう」
母は少し顔を赤らめ名刺を受け取る。その母の手をエドワードの大きい手が優しく包み込んだ。ドキリと心臓が高鳴る。
「今日はこんな素敵なご婦人に会えて嬉しい。天の神に感謝することにしよう」
エドワードのまっすぐな瞳に見つめられ母の顔は紅潮した。結婚し実典を産んでから女性として扱われるのもこんな紳士的に接してもらうのも初めてだった。
一方その頃客間ではウィリアムの人生相談が行われていた。
「会社で嘱託として働いてるんだが、周りの目が気になってしょうがないんだ。いつも書類にハンコを押すだけの窓際族。周りの後輩たちが冷たい目で私を見ているのがわかるんだよ。居心地が悪くて。最近は自分に自信がなくなってしまってね、ハハ……」
父は笑ったがその顔には力がなかった。ウィリアムは父の手を握り優しく笑った。
「周りの意見や視線など気にしても仕方がありません。大丈夫、お父さんは奥さんや実典さんを大事にしています。そのことをミンナわかってマスよ」
「そうかな……」
「一見完璧にミエルような人物でもドコカシラ欠点があるものです。周りの人たちはお父さんのイイトコロに気づいていないだけ、自信をモッテ行動すればその分周りのヒトタチモついてきてくれますよ」
「うん、そうだね……」
「実典のお父さんスゴイ。実典を一生懸命育てて立派な女性にした。もっと自信を持って誇って下さい」
「でも……みんなやってることだし」
「周りのこと関係ナイ。ハンコを押すのも大切な仕事。お父さんの責任があるから任される。ボクもケヴィンもみんなお父さんに感謝してます。自信を持って」
「うん、なんか自信がでてきたよ。ありがとう!ありがとう!」
父は目を潤ませてウィリアムを見た。
「私たちはもう行かなきゃ。時間制限があるんだ。これからも実典をよろしく頼む」
「ミノリのことはボクが必ず守ります」
二人はまっすぐに互いを見つめるとがっしりと抱き合い友情に似たものを分かち合った。
そんなことをしていると説教を終えた実典が客間に入ってきた。
「はぁ、疲れた……って父さん何やってんの!」
「実典、いいか。ウィリアムさんにあまり迷惑をかけるんじゃないぞ?」
「え、あ。はぁ」
実典は気の抜けたような返事をした。そこに母が入ってくる。
「あら実典、居たの?」
「いやいるよ。いちゃ悪い?」
「実典、私またきてもいいかしら。エドワードさんが素敵な料亭に連れてってくれるって」
「エドワードと話したの?」
「本当にダンディで素敵な方だわ。色々と案内してくれてすごく紳士的に振舞ってくれたのよ。実典も結婚するならああいうタイプを選びなさい。顔だけの男になびいちゃダメよ」
「何言ってんの母さん!?」
あいつは既婚者だぞと言いかけているうちに二人は足早に玄関に向かってしまった。
「じゃあね実典、ちゃんと食生活には気を使うのよ」
そんな会話をしながら二人は帰って行った。
「一体何だったんだ」
両親がいなくなった途端、静かになった。そしてどっと疲れが襲ってくる。
「うーちゃん、お父さんと何を話したの?」
「ヒミツ!男の約束!」
「あ、そう」
それ以上追求する気も起きなかった。そのままリビングに戻った。ケヴィンが膝を抱えて隅で丸まっていた。ぐすんとすすり泣いている。
「ほら、ケヴィン。いい加減泣くのはやめなさい。いい大人なんだから」
「うう、だって」
実典は溜息をつく。
「ほらもう、怒ってないから」
「本当に?」
ケヴィンは涙で濡れた顔を上げた。泣いていてもイケメンだなとウィリアムは思ったがその魔貌の効果は実典に対して全くと言っていいほど効果がなかった。
「いいからとっとと立ち上がれやコラ!邪魔だボケ!」
実典がテーブルを蹴る。ケヴィンはびくりとして勢いよく飛び上がった。
実典は一息つくと椅子に腰掛け休憩した。突然の来訪者、怒涛の襲来。慌ただしい1日がようやく終わろうとしていた。