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ヒルビリーとレイスの共同生活六日目・夜

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女はひたすらヒルビリーの帰りを待っていた。ヒルビリーが家を出てからすでに数時間が経とうとしていた。

テーブルにはヒルビリーが用意したチーズとワインが置かれていたが女は手をつけなかった。食欲は湧かなかった。家を出るときにヒルビリーを覆っていた異様な空気。悪い予感が頭を支配していた。

思えばこの農場は血生臭い匂いで溢れていた。鮮度を保った血の匂いだ。忽然と姿を消した麻薬密売人のことを考えればその想像は正しかった。ヒルビリーが人殺しであるという事実。女は首を振る。嘘であってほしい。無意味な心配だと笑ってほしい。女はただ何もせず、ひたすらヒルビリーの帰りを待った。

 

やがて月が落ち始め朱色の光が農場を覆ったまま一日が終わった。一刻一刻がひどく長く感じた。太陽は登らなかった。だが物が崩れたような大きな物音が玄関で鳴り響き女は彼の帰宅を感じた。即座に立ち上がり髪を振り乱して部屋を出た。

「ヒルビリー!!」

女は玄関まで走った。トタトタと軽い足音が室内に響いた。そして仄暗い明かりに移るドス黒い影をみた。愕然とした。そこには全身を返り血で真っ赤に染めた怪物がいた。

「う、ぐ」

ヒルビリーの持っていたチェーンソーからはポタポタと血が滴り落ちていた。

「う、ぐるる」

低く暗い声でヒルビリーは唸った。ヒルビリーは焦点の合わない目で唸りながら女を見る。獣のような邪悪な視線に女は思わず目を逸らす。

「そんな、そんな目で、オレを見るな!!」

ヒルビリーは怒鳴った。

「ご、ごめんなさい」

女は怯えたように言う。女の肩を突き放しヒルビリーはシャワー室へよろめきながら向かった。

女はペタリと座り込みヒルビリーの背中をただ呆然と見つめることしかできなかった。