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ヒルビリーとレイスの三角関係二十一日目

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女はその日、農場を離れとある廃車工場に居た。両手にたくさんの野菜を抱えとあるログハウスの扉を叩く。周囲には車の部品やスクラップが散乱している。そんな中をテクテクと一人の男が歩いてきた。

「あれ?どうしたの?僕の家に何か用?」

漆黒の殺人鬼レイスは女に話しかける。女の突然の来訪にはやる胸を押さえながら。

「これ、野菜をレイスに届けにきたの。たくさん助けて貰ったから」

レイスは女が抱える野菜を見た。

(なるほど、当分農場に近づくなってわけか)

レイスはなんとなくそう思った。それは冗談を混じらせた彼の予測のようなものだった。本気でそう思ってるわけではない。ヒルビリーはそこまで狡猾でないことをレイスは良く知っている。

「ありがと。重かったでしょ」

「ううん、大丈夫」

女は笑った。一方レイスは部屋に女を入れるかどうか迷っていた。部屋はあまり片付いていなかったし散らかった部屋を見られるのは恥ずかしいものがあった。そんなことを考えているうちに女のほうから口を開いた。

「じゃあ、そろそろ行くね?」

「あ、うん。じゃあね」

レイスは応える。また彼女が家に訪れることがあるのだろうか。

「あ、そういえばね。私」

「ん?何」

「そうだ、元はといえばレイスのおかげだからちゃんと言わないと……」

「何の話?」

「うん、ヒルビリーが私とお付き合いしてくれることになったの」

「……っ」

レイスは目を見開き硬直した。頭を強く殴られたような衝撃がレイスを支配した。

「レイスのお陰だよ。レイスと私を見てやきもちを焼いたんだって。ありがとう。レイス」

「…………そっか」

レイスは精一杯の笑顔を浮かべ、そう言った。押し殺したような声で明るい感情を装う。内心は引き裂かれそうな痛みでいっぱいだった。

「おめでとう!よかったね。祝福するよ」

舌が引きちぎられるかと思った。ヒルビリーと付き合うのはやめろ。そういいそうになった自分の言葉を無理やり噛み締め精一杯の祝福を告げた。野菜を抱えたまま爪をギリギリと自分の反対の腕に食い込ませレイスは祝福する。彼女から見てちゃんと笑えているかどうか、不安で仕方がなかった。

「うん、ありがとう」

女は笑う。喜びに満ちた笑顔でレイスに笑いかけていた。