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第四話都合の良い解釈

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フィリップは部屋に戻ると布団に潜り込み無為に考えた。初めて好意を持った女性との食事。心が踊った。余韻がまだ残っている。女の胸が肌が唇が首筋が、何度も彼の頭の中を巡った。

彼女を意のままにしたい。フィリップの思いはその一点に集中した。そしてどのように自分の物にするか、ひたすら妄想した。

 

女を全裸にし縄でベッドに固定して縛り身動きを取れなくする。

「やめてフィリップくん」

切ない声で請う女。顔を赤らめ涙を浮かべる。思わず想像して股間が膨らんだ。身動きのできない彼女に覆いかぶさり彼女の唇を奪い肌を撫でたらどんなに最高だろうか。目隠しをしてもいい。後ろから犯すのも悪くないかもしれない。いや、まずは自分に奉仕させるのが先だろう、彼女の唇で舌で自分を喜ばせるのだ。

「はは……早く……早く会いたい」

フィリップは恍惚の笑みで呟く。眼光は鋭く光っていた。

 

 

あれから数日が経ち、休日が訪れた。固定電話にはフィリップからのメッセージが何件も入っている。女は身支度を済ませると家を出て待ち合わせ場所に向かった。

「フィリップくん」

フィリップは先に待ち合わせ場所で待っていた。くたびれたジャケットと地味な色のズボンを着ている。女を見ると目を輝かせた。

「じゃあ行こうか」

「はい!」

フィリップはニコニコと女の隣を歩く。

「あ、あの……」

「うん!なあに?」

「手をつないでもいいですか?」

「……」

女は言葉に詰まった。

「あ、そういうのはもうちょっと仲良くなってからがいいかな」

「……はい、分かりました」

しょんぼりと落ち込むフィリップ。そんな暗い表情を見たくなくて、女は手を差し出した。

「ほら」

「え!いいんですか!?」

「今日だけだよ」

フィリップは喜んで女の手をとる。そして力強く握りしめた。

「えへへ」

「……」

はにかむフィリップ。女はその笑顔に答えられなかった。

 

二人はしばし歩いた後、男性用の洋服店に訪れた。フィリップは戸惑いながら服を選んでいる。

「うーんどうしよう。こっちがいいかな、でもやっぱりこういうのがいいかな」

フィリップは服を手に迷っていた。どれもこれも暗色の同じような服ばかりだった。

「これなんかいいんじゃない?」

女は華やかな色のカーディガンと暗色のズボンを差し出した。

「わ、わあ。こんなの僕に似合うかな」

「似合うよ。フィリップくんかっこいいよ」

「本当!?僕ってかっこいい?」

フィリップは目を輝かせた。

「本当だよ」

「嬉しいな」

フィリップは微笑んで女を見つめる。目を細め感情の混じる目で女を見ていた。

「服、どうするの?」

「買います。あなたが選んでくれたものだから」

女の選んだ服をレジに持って行くフィリップ。代金を支払い商品を受け取るとつかさず女の手を取り店を離れた。当たり前のように行われるフィリップの動作。その状態で並んで歩く。駅にはすぐについた。

「僕、本当に嬉しい。あなたが付き合ってくれて」

「自分でよければいつでも付き合うよ」

そこでフィリップは女を見る。身長差から思わずフィリップを見上げる格好になった。

「僕……大事にしますから」

「は?」

思わず間抜けな声が出た。

「あなたのこと、大切にします。これからもずっと」

「あの、それって、どういう意味?」

「僕があなたの彼氏だから……だから僕があなたを守ります」

「え、フィリップ!?それどういう」

「今日はありがとうごさいました!また誘いますね!じゃあ」

フィリップは最後に花のように笑い、駅に入って行った。女の表情が凍る。

彼氏?付き合う?どういうことだ。

女とフィリップのあいだに大きな誤解が生まれている。もはやどこから生じたのかよく分からなかった。だがその誤解を晴らすということはフィリップ大きく失望させるということだった。

花のような彼の笑顔が失われ、一瞬で暗闇に落ちる。そんな姿は見たくない。女は歯を噛み締めた。どうすればいい?どう答えれば彼を傷つけずに済むのだろうか。

その日考えるも悶々とするだけで答えは出なかった。