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第十一話変貌する貌

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少し前のことだった。エヴァンは女を連れてフィリップの前に現れた。美しい女と屈強な男。無人の工場内に足を踏み入れた。

フィリップは二人をゲストハウスに案内すると背後から工具で殴りつけた。その場に崩れるエヴァンの体。その現場を見、慌てて逃げようとする女を捉え工具で何度も殴った。女の頭部をひたすら殴りつける。女は痙攣して停止しそのまま動かなくなった。フィリップは女の首に力を込めると胴体から引きずり出した。生暖かい血が体についてしまった。後で洗わなければ。

 

男女の肉体をフィリップは引きずって車のある場所まで運んだ。その場に捨て置き黒く塗られたエヴァンの車をフィリップは時間をかけて解体した。普通の廃車と同じ手順でガソリンを抜きタイヤを外し粉砕できる状態まで持ち込んだ。

 

そして粉砕する準備が整ったその車に男女を詰め込んだ。その間、エヴァンが目覚めることはなかった。睡眠薬を飲ませておいたからだ。

 

フィリップはほくそ笑む。準備は全て完了した。エヴァンの顔に水をかける。しばらくすると微睡みとともにエヴァンが唸り声をあげた。

「なんの……つもりだ」

酩酊した意識の中でエヴァンはフィリップを睨む。フィリップは薄ら笑いを浮かべると車のドアを閉めた。

 

重機に乗り込む。重いクレーンがエヴァンの入った車を持ち上げた。車は宙ずりになり粉砕機の中にゆっくりと引き込まれていく。先端部分からメキメキと音を立てながら歯車に巻き込まれていく。異音を立てながら美しい装甲の車が砕かれて行く。

ゆっくりと車を食らう機械の歯車はエヴァンが詰め込まれた運転席に差し掛かった。バキバキと音を立てて歯を進めていく。そしてそれは鈍間な速度でエヴァンの足の指に差し掛かった。ついにエヴァンの足が重機に引き込まれる。

「ギャアアアアア!!」

人間の声とは思えない男の絶叫が敷地内にこだました。舌を限界まで伸ばしあらん限りの声を張り上げながらエヴァンは地獄の苦痛にもがきのたうちまわる。その手は救いを求めるために空を掴むが残酷に機械はエヴァンの足を食らう。足の指が砕かれてねじ曲がり骨が粉砕された。この世のものとは思えない痛みにエヴァンは口を大きく開いて絶叫する。舌が震え爪が空を掻く。エヴァンの足は機械に潰され圧縮されて金属の塊に引き込まれていく。

 

エヴァンは絶叫した。膝が砕かれあらぬ方向に折れ曲がった。引き裂かれるような凄まじい痛みが全身を支配した。口からは血を吹き出しエヴァンのスーツを汚した。腕が腹部が機械によってぐちゃぐちゃに裂かれ粉砕されていく。内容物が裂かれた皮膚の隙間から吹き出していく。ずるずると肉が押し出され機械に混ぜられる。

骨は砕かれ内臓が破裂し黒い血が吐き出された。血と臓物がスクラップと混ぜ合わされおぞましい姿に変形されていく。訳のわからないあらぬものが生み出されていく。機械と生き血で作られた歪な臓物。

フィリップはその様子を笑いながら見ていた。口は引きつり目はそれを凝視するために見開かれていた。彼の目は初めて輝きを宿していた。

 

血を吹き出し骨をバキバキと砕かれながら呪いの叫びをあげ、エヴァンが粉砕されて鉄塊と混ぜあう。エヴァンの美しい顔が機械によって破裂し潰されあらぬ姿になった。もはや元の顔もわからない。頭部は砕かれて脳だったものがぐちゃぐちゃになっていた。原型をとどめないエヴァンの血が骨がスクラップとなって吐き出される。機械と融合し綺麗に折りたたまれそれはこの世ならざる姿になっていた。

その異常な姿にフィリップの唇がいびつに歪んだ。

 絶叫はすでに止んでいた。何時間もかけ男を粉砕し、残されたものはエヴァンの車と融合したエヴァン自身だった。

フィリップは笑っていた。大きく口を開け笑っていた。