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最終話愛しき怪物

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全てを思い出した。

 

ああそうだ。フィリップを裏切ったのだ。意思の弱さによってエヴァンに傾きその結果彼を殺人者にしてしまった。全ては自分のせいだった。

フィリップは人ならざる姿で自分を見つめている。何ヶ月にも及んだ陵辱の日々は止まり、フィリップはただ自分を見つめているだけだった。もはや目的すらわからない 。自分を責めているのだろうか?

「フィリップ、全部思い出したよ」

フィリップは何も言わない。金の瞳でただこちらを見ている。

「自分は、お前を裏切った」

女は掠れた声で言う。

「お前をそんな姿にしてしまった」

諦めたように。無力に。

「全部私の責任だ」

物言わぬ愛しき怪物。肌は黒く染まり、肉体はもはや人と同じではなかった。それでも女はこの男を愛していた。

「う……」

女の体を吐き気が襲う。よろめきながらトイレに駆け込んだ。

「デキタ」

フィリップは呟く。そしてトイレに突っ伏す女を背後からじっと見つめていた。女がフィリップを見あげる。

フィリップはしあわせそうに、首を傾げて笑った。

「ダイジョウブ、モウサミシクナイ」

フィリップは呟く。

「コレカラハ、ズットイッショダカラ」

嗤うフィリップ。女はこれから迎えるべきフィリップとの未来を想像した。